「パワハラ(パワーハラスメント)」って?
4月に学校を卒業し中堅会社に就職したA君。
入社後、研修期間を終え営業部門に配属となり、同僚や上司にも恵まれ充実した社会人生活を送っていました。
ところが、9月に入って人事異動があり、直属の上司が変わったことから、部内の雰囲気が一気に悪くなってしまったといいます。
新しくやってきた上司は、とにかく実績主義で月内の営業目標が達成できない社員に対して、汚い言葉で罵ることは日常茶飯事。
「無能なヤツは会社にいる必要はない」、「給料泥棒」等々暴言の限りを尽くし、椅子やごみ箱を蹴飛ばすという始末。
営業成績が上がらない社員だけでなく、周りにいる者もいたたまれず、A君も会社に行くのがゆう鬱になってきたというのです。
ところで、「パワハラ」という言葉をご存知ですか?
2012年1月、厚生労働省は、初めて、パワハラの定義付けを含めた予防や解決の取り組みについての報告書(「職場のいじめ・嫌がらせ問題に関する円卓会議ワーキング・グループ報告」)を発表しました。
これによると、「パワハラ」=「職場のパワーハラスメント」とは、
「同じ職場で働く者に対して、職務上の地位や人間関係などの職場内の優位性(※)を背景に、業務の適正な範囲を超えて、精神的・身体的苦痛を与える又は職場環境を悪化させる行為をいう。
※上司から部下に行われるものだけでなく、先輩・後輩間や同僚間、さらには部下から上司に対して様々な優位性を背景に行われるものも含まれる。」
とされています。
都道府県の労働局に寄せられるパワハラに関する相談件数も年々増加しており、職場内においてパワハラを受ける側は、被害について声をあげることが難しいことも多いため、深刻な問題になるケースもあります。
A君の職場の状況もまさに、上司による部下へのパワハラがあるといえそうです。
解決の道は決して容易ではありませんが、心身共に健康で気持ちよく働くことは、単に生活安定のためだけでなく、労働者の権利です。
お困りの状況がありましたら、勇気を出してご相談ください。