縁を切ったと言っても・・・・
相続問題の相談を受けていると、「亡き父は、この子とは縁を切っているから、相続については関係ない」等おっしゃる方が、時々いらっしゃいます。
実際の関係性で「縁を切った」場合でも、相続においては、縁を切るのは簡単ではありません。
法律的に「縁を切る」規定としては、民法第892条の「廃除」がありますが、家庭裁判所が「廃除」を認める事例はなかなか珍しいようです。
つまり法律上「縁を切る」のは、難しいのです。
できれば、そのような関係がないことが望ましいですが、このような場合において、「遺言書」の作成が、解決策の一つ考えます。
基本的には、「自筆証書遺言」と「公正証書遺言」の二種類がありますので、遺言者に合う方をお選び下さい。
ところで、私の経験ですが、「遺言書案」だけを作成された方がいらっしゃいました。
私は、きちんとした遺言の作成を提案しましたが、その方は「これでええんや、わしの気持ちはこれやから、後はあの子らが好きにしたらええんや。」とおっしゃいました。
「自分の気持ちは、一応遺しておくが、それに強制力は持たせたくない、相続人の考えも尊重したい。」というのが、その方の御気持ちでした。
しばらくして、その方の相続人は、遺された遺言書「案」のとおりの遺産分割協議書を作成し、それに基づく相続登記をなさいました。
そんなケースもありました。
遺言のことも司法書士にご相談ください。