年度のおはなし
4月、桜が満開の中、入学、進級、就職など新しい生活が始まった方も多いことでしょう。
司法書士業務の関連では、4月1日から新年度が開始するため、不動産登記申請に必要な固定資産評価額を証明する書類を取得し直す必要があります。(※不動産登記申請時に納付する登録免許税の算出には、相続や贈与の日時点ではなく登記申請日時点の評価額を課税標準価額とするため)
では、なぜ、新年度は4月から始まるのでしょう?
財政法、地方自治法には、「会計年度は、毎年4月1日に始まり、翌年3月31日に終わる」と定められています。
学校については、法令上は「年度」という文言は使用されていませんが、小学校の場合は学校教育法施行規則に「小学校の学年は、毎年4月1日に始まり、翌年3月31日に終わる」と定められています。
しかし、法令上4月から始まらない年度もあります。
「砂糖年度」および「でん紛年度」は、「砂糖及びでん紛の価格調整に関する法律」で「毎年10月1日から翌年9月30日までの期間」と定められています。
法令上の規定はなくても、農作物については、収穫時期に応じた期間を「年度」としている例が多くあるようです。
法令上会計年度が4月始まりとなったのは、米穀年度(11月1日から翌年10月31日まで)と関係するとの説があるようですので、法定された経緯についても興味深いものがあります。
なお、個人の所得や贈与に対する税金は、1月1日から12月31日までの1年間について申告することとなっています。一方、会社では、それぞれ定款によりいつからいつまでを事業年度とするかを定めていますので、実は会社によりバラバラなのです。