財産管理と司法書士
今年(平成25年)1月20日に、NHKドキュメンタリー「終の住処はどこに 老人漂流社会」が放送されました。
その主題は、「今、高齢者が自らの意志で死に場所すら決められない現実がひろがっている」という重いものでした。
ひとり暮らしで体調を壊し、自宅にいられなくなり、病院や介護施設も満床で入れない。施設を転々としながらじっと耐え続け、そして、じっと死を待っている姿が極めて鮮明に描き出されていました。まじめに働いてこられた高齢者が自らの意思とは関係なく、住まいを転々と移動させられる状況を見せられると、人生終結の場所を自ら選択することさえとてもたいへんで困難なことだと理解できました。
私たち司法書士は、ご存知のない方も多いかと思われますが、そのような方々のために少しでもお役に立ちたいと毎日考え、行動しているのです。
その一例として、高齢になってご自身で財産管理を行うことが困難となられた時、あるいは、ご自身の意思による判断や契約が困難となってしまわれた時、ご本人に代わって、現状をできるだけ維持しながら財産管理を行う仕事(財産管理契約)をしています。
また、認知症になられた時に備えて、あらかじめ契約をしたのちに財産管理をお引き受けすること(任意後見契約)や、ご家族の誰かが後見人等を必要とされる時には家庭裁判所に対する申立手続を行ったり、あるいは、後見人等となってその方の財産管理や身上監護を行うなど(法定後見)しています。そして、亡くなられた後の相続財産に関する手続を行うことも私たちの重要な仕事のひとつです。
そんな私たちが最も大切だと考えていることは、少し大袈裟かもしれませんが、依頼者から人生を預けてもいいと思う信頼を得ているかどうかということです。もちろん自らが自己研さんし、依頼者の信頼に値する能力を身に付けることは大事なことです。しかしそれに加え、依頼者からの相談を受け、その中で、依頼者との信頼関係を醸成していくことが非常に重要なことだと考えています。依頼者が私たち司法書士に任せてもいいかどうか本当に納得できるまで何度でもご相談していただける環境を提供できればと思います。
兵庫県司法書士会では、県下各地にて無料の相談会を開催しています。
法定後見、任意後見などの財産管理や相続に関することについても、もちろん相談をお受けしています。
まずは、お電話にて(電話 078-341-2755 平日9時-17時)お問合せいただければと思います。