東北地方太平洋沖大震災に

東北地方太平洋沖大震災に

会長声明 (兵庫県司法書士会会長 島田 雄三)

 2011年3月11日に発生した東北地方太平洋沖地震で被災された皆様に、心よりお見舞いを申し上げるとともに、必死に救援、捜索に当たられている関係方々へ、深甚から感謝申し上げます。
 この災害で、不幸にして一命を落とされた方々には、お悔やみの言葉もありません。ご冥福をお祈り申し上げ、哀悼の意を表します。
また、行方の分らない皆様の一人でも多い、一刻でも早い救出を祈るばかりです。
 1995年1月17日の阪神・淡路大震災の被災会として、深く同情し、その時の災害をはるかに上回る今回の被害に、只只、立ち尽くすばかりですが、今、自分たちに何が出来るのか、深く問い、答を探しています。
その覚悟の一端を、ここに表明するものです。
われわれ兵庫県司法書士会は、3月15日、東北地方太平洋沖地震災害対策部を立ち上げました。この震災に関する救援に立ち上がり、懸命に努力することを誓います。
この度の大地震は同時に大津波を引き起こし、多数の人命を飲み込み、家屋や財産を蕩尽させました。その数、量、痛ましさにおいて、有史に比べるものはありません。しかも原発事故まで誘発し、その推移は予断を許さない状況となっています。
当会は、日本司法書士会連合会等と連携し、被災地の苦しみが、一日でも早く和らぐよう、あらゆる支援をする所存です。また、地域の復興に役に立つ方策については、関係各方面に積極的に働きかけ、実現を図ることを誓います。
具体的には、
1.法テラス電話相談への支援を含め、電話による法律相談体制を早急に立ち上げ、市民の救済にあたる所存です。
1.かかる事態に際し、会員各位から義捐金を募り、金銭的な支援をしていく所存です。
1.法テラスに対し、この国民的苦境に際し、我々の行う法律相談を特に利用しやすい事業として実施することを求めます。また、法律相談のみならず、司法書士がこれから取り組む、被災者からの依頼による相続登記などの登記手続きも、法テラスの事業として実施することを求めます。
1.法務省に対し、被災者の登記申請において、登録免許税の免除、減免措置を採るよう求めます。この大震災に起因し様々な登記の必要が生じてきます。このような場合にも、通常の登録免許税を課税されては過酷に過ぎます。通達で対応できることは通達で、立法を要するものは、すみやかに法制定し、施行をされ、被災された方々を救うことを求めます。
1.土地の陥没など、地図の混乱が激しく、これらは個人、地方行政の力では、どうすることも出来ません。国はこのための予算をつけ、地図の整備に当たることを求めます。
このたびの大震災で、多くの司法書士も被害を受け、極めて苦しい状態に陥っていることが推察されます。彼らは、地域の大切な要であり、市民の権利や財産を保全するための社会的システム、いわば公器なのです。彼らが傷むことは、地域が傷む事にほかなりません。社会貢献がわれわれ司法書士の使命であり、全部であると言っても良い。被災地の復興には、地域の要たる彼ら会員を力づけ、歯を食いしばって本来の職務をおこなっていただく必要があります。
そこで、被災地の司法書士会に対し、市民救援の一助となるよう、わが会で編纂した阪神・淡路大震災の際の相談並びに救援事業の記録を提供するとともに、検討記録に至るまで一切を伝達していく所存であります。そのための人員派遣も惜しみません。
また、当会独自の資金から会員の承認のもとに、被災地司法書士会に対し、資金提供をすることを誓います。取り急ぎ、当会災害対策資金から、特に被害が甚大であった岩手、宮城、福島の各被災地司法書士会に対し、使途を定めることなく各300万円を提供いたします。
われわれは、あの阪神・淡路大震災の際、多くの方々から寄せられた厚志と支援を決して忘れることは出来ないのです。あのとき、群馬司法書士会を始め全国の各司法書士会並びに会員から熱い思いが寄せられました。これら支援への感謝は、脈々と、現在まで当会に受け継がれてきています。
事ここに至れり、われわれの可能な限りの支援を、実行することを誓います。

会長声明

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